救急講習
- 2025年9月16日
- お知らせ
冗談を言いながら和気あいあいと診療することもある、クリニックでの診療。
そんな日常診療の中でも急変は起こり得る。
当院でも、開業してから約2年半の間に、心肺停止1件、急にSpO2(サチュレーション:酸素飽和度)が下がったケース1件、意識低下をきたしたケースは何件もあった。そのたびに、スタッフの協力もあってうまく対応してきたが、緊急の場合に備えて、防災訓練と同じように救急訓練をする必要があると感じていた。
ちょうど先日9月9日が救急の日ということもあり、9月8日(9月9日の昼休みは用事があった)に院内で救急講習をすることにした。
救急の日(きゅうきゅうのひ)は、毎年9月9日。救急医療や救急業務に対する理解を深め、意識を高めるために定められた記念日とのこと。この日を含む日曜から土曜日までの1週間は、「救急医療週間」と呼ばれ、全国で応急手当の講習会やイベントなどが実施されているそうです。
古巣の健和会病院からBLS(Basic Life Support:一次救命処置)用の人形を借りて来て、院内講習。
いざやってみると、病院のように通路が広くないので、患者さんの移動、物品の移動が難しいケースもありそうだと気づいた。
幸か不幸か、今まで急変した患者さんは全員その時点で車椅子上にいらっしゃったので、比較的移動が楽だったのである。その中でどうするべきか見えてきたのも今回の収穫であった。
「来年のことを言うと鬼が笑う」と言うけれど、来年の救急の日前後には、市民の方を招いて救急講習を行いたいと思っているので、そのときは是非参加してね。
ところで、アドレナリン(ボスミンという商品名のこともある)は、心肺停止処置のときや、アナフィラキシーショックのときに必要な薬剤であるが、もうすぐ消費期限となる。他にも、あった方がいいが、めったに使わない薬剤が存在する。これらの薬剤は多くは、10本入りであり、使っても消費期限内に1,2本。使わないままの薬剤もある。開業して2年半経ったこともあり、仕方なくそれらの薬剤を処分した。
だが、火事にならなければ無駄になるからといって、消火器を置かないのはよくないように、あまり使わないだろうからといって、用意しないというわけにも行かない。どうぞ、近隣のクリニック関係者の皆さん、あるいは医療行政の方、こういう薬剤を5~10箇所のクリニックで分け合うことできませんでしょうかね。