知らない病気は診断できない
先日、9月21日、専門医の更新のセミナーを受けるため、名古屋のコンベンションホールに行ってきました。
名古屋は大好きな街で勤務医時代、コロナ禍になる前は1~2ヶ月に一度行っていました。
スッキリした町並み、ちょっと奇抜だけれどファッショナブルな人々。飯田にはない本や服が手に入る。
相変わらずの名古屋ですが、ほとんどの時間を会場で過ごしました。
セミナーの内容は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、胆道系、膵臓、各分野の良悪性の疾患の診断・治療の困難例を集めたもの、それに医療DXと内視鏡のAI診断を加えたもの。
本当は、講義の復習を終えてから、このブログをUPしようと思ったのですが、内容が盛りだくさんで何ヶ月もかかるかもしれない。
ということで、まだ感覚が新鮮なうちに更新することにしました。
専門医の更新のための義務として参加したセミナーですが、どの内容も素晴らしいものでした。
特に印象に残ったのは、大腸の良性疾患について講義してくれた樫田博史先生の講義。
”Lessons to be learnt”とのことで、30症例ほどの珍しいけれど遭遇しうる疾患を紹介してくれました。
「知らない疾患は診断できない。でも、個人の経験には限りがある。だから、セミナーに出たり、勉強して知識を仕入れましょう」
本当に。
開業する前は、「おそらく、風邪と簡単な生活習慣病、腹下しを主に診ることになるだろう」とある程度専門書を売ってしまったのですが、だんだんと「それはとんでもない誤解だった」と気づいた次第です。医師は一人しかいない。そして、様々な訴えの中に重大な疾患が隠れていることがある。最終診断も、治療も、大病院にお任せすることになるわけだが、入口で適切に判断することが必要だと感じています。
単なる下痢も、食中毒、胃腸炎、過敏性腸症候群の他に様々な原因がありうる。
「先生が適当に流さないでくれたから、今の僕がある」と言ってくださった患者さんもいて、自分の方針が間違ってなかったな、と嬉しく思った次第です。
セミナーのテキストは薄いけれど、盛りだくさんの内容。
数ヶ月かけて勉強していこうと思います。
もちろん、患者さんに寄り添うことも忘れずに心がけていこうと思います。