世界腎臓デーにちなんでー高血圧のお話|エルムクリニック 内科・消化器内科|長野県飯田市の内科・消化器内科

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世界腎臓デーにちなんでー高血圧のお話|エルムクリニック 内科・消化器内科|長野県飯田市の内科・消化器内科

世界腎臓デーにちなんでー高血圧のお話

今日(3月12日)は世界腎臓デーの日なんです。

といいつつ、ブログをUPするのは、愚図な私のことだから明日になるのだろうなあ。

今年は3月12日が世界腎臓デーですが、3月第二木曜日が世界腎臓デーとのことで、毎年日にちが変わります。

そのためか、11日の日には「腎臓生理から考える高血圧の病態と治療」という講演が行われました。Web講演だったのですが、お話ししてくださったのは、有馬秀二先生という腎臓内科の教授をしてらっしゃる方でした。

ところで、なぜ腎臓デーに高血圧のお話し?って不思議に思う方も多いことでしょうね。実は腎臓と血圧って密接な関係があるのです。

まずは、高血圧が腎臓に影響を与える件について話しましょう。

上記は私がアルバイトに行っている長野県健康づくり事業団・伊那健康センターの休息室に貼ってあったものです。

血液が腎臓でろ過され、必要な成分は再吸収されることは皆さんが知っていることと思います。

そのため腎臓には細い動脈が張り巡らせています。ところがその毛細血管の圧力は一定です。

腎臓が高血圧にさらされ続けると、腎臓の細動脈はもろくなってあちこちで破綻し、その修復過程で線維化し、肥厚します。それによって細動脈の内腔が狭窄します。ここで腎硬化症という病態が生じます。

ところで、腎臓のろ過機能が悪くなると究極的には透析が行われるようになります。

透析に至る原因疾患は1998年に慢性糸球体腎炎を抜いて糖尿病性腎症がトップになっていますが、近年この腎硬化症が糸球体腎炎を抜いて2位になっています。腎硬化症は若年層(20~39歳)でも増加しているとのことです。となると適度に降圧することはやはり必要ですね。逆に慢性糸球体腎炎による透析導入のケースは年々減少しております。学校検診で早めに拾い上げて、重症になる前に治療するようになったこと、原因の一つである溶連菌感染症も抗菌薬で早めに治療していることが大きいのでしょう。

一方、腎疾患が高血圧を呼び起こすこともあります。教科書的にはたくさんありますが、筆者が勤務医時代遭遇したケースは比較的多い病態と思われるので、列挙してみましょう。まずは腎動脈の狭窄です。腎臓には腎臓の血流量を見張る装置の装置のようなものがあって、腎臓へいく動脈が狭くなると、当然のことながら血流量が少なくなります。そうするとレニンというホルモンが分泌され、続いて血圧をあげるアルドステロンというホルモンが分泌されます。そうすると、当然ながら血圧があがります。

慢性間質性腎炎という病態で血圧があがるケースがあります。まずは糖尿病腎症。ほかに比較的多いのが多発性嚢胞腎という腎臓に嚢胞がたくさんできる病気は遺伝性の病気。中年期くらいに腎不全に陥ります。このときも血圧上昇をきたしやすいです。膠原病や薬剤などで、腎臓の間質と呼ばれる部分が線維化、萎縮して腎障害を起こすケースがあります。身近なもので痛み止めとして使われるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬:ロキソニン、ボルタレン等)を長期に渡って使って透析になったケースもありました。この場合も腎臓の間質という部分を傷めます。NSAIDsは痛み止めとして、すぐれた薬ですが、胃潰瘍やびらん性胃炎の原因にもなるので、私はよほどやむを得ない場合以外出さないようにしています。その場合も腎障害を考えて、長期にならないように注意しています。

以上のように、血圧と腎臓は密接な関係があります。

開業した2023年度は1日1桁の来院患者さんしか来ない日が続き、そのことを心配したスタッフが定期通院患者さんを増やす目的で、ホームページに高血圧について詳しく解説するようにアドバイスしてきました。そこで、高血圧のガイドラインをはじめ、高血圧の専門医の書いた著書を読んでみたのですが、高血圧はよく言われる塩分過多や動脈硬化だけが原因ではなく、腎臓やホルモンの働きが複雑にからみあって生ずることを知りました。ホームページに記載するとなると、ひょっとしたら専門の先生が読むかもしれないので、そういう方が読むに堪えるものでないと載せるのがはばかれる、ということでブログに書くにとどめました。

スタッフの方は不満そうでしたが、これが私の限界なので、ご理解くださいね。

今回は、バイト先のポスターや勉強会で有馬先生がわかりやすく解説してくださったので、第二弾を書くことができました。むつかしい分野に理解を与えてくれたこと、心より感謝します。

お互いに上手に高血圧とつきあっていきましょうね。