日本消化器内視鏡学会参加
- 2023年5月28日
- お知らせ
5月25日~27日 日本消化器内視鏡学会に行ってきました。
主に医師対象の内容なのですが、今回は二人の看護師さんにも参加していただきました。
顔出しは恥ずかしいとのことで、一部だけ公開です。
もう一人の看護師さんは、お子さんが小さいので26日だけの参加、一緒に記念撮影をするのを忘れ、会場を出てから気づいた次第です。
さて、学会に現地参加すると、当然クリニックを閉めなければならず、開業したばかりなのに申し訳ないです。26日の日には、発熱外来の問い合わせがありました。(クリニックの留守中、私のPHSにクリニックへの電話が転送されるようになっており、対応できるときには対応させていただいております)
ご迷惑かけて、申し訳ありませんでした。
ご迷惑をかけた分も、今回得た内容を診療に活かしていきたいと思います。
今回勉強になったことを少しPICK UPしてみましょう。
1.胃癌の原因の多くはピロリ菌であり、ピロリ菌は免疫力の弱い乳児、小児の頃、経口感染します。近年衛生状態がよくなり、ピロリ菌感染者の割合は減ってきたのに加え、ピロリ菌除菌者が増えてきました。そうなると、ピロリ陰性胃癌が相対的に増えてきます。今回は、ピロリ陰性胃癌のセッションに行き、また本も買ってその特徴を目に焼き付けてきました。実は、学会参加後は、癌の発見率が高くなり、それも学会に参加した理由の一つです。
2.痛み止めやステロイドの服用が、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になることがありますが(よって当院ではそれらの薬が必要な方には、胃酸を抑える薬を出すことが多いです)、大腸にも色々な薬の影響を受けることがあり、その所見を見てきました。ある種の胃薬、降圧薬が原因で起こる下痢、抗がん剤で起こる出血など。休薬によって改善します。
3.消化器症状に使われる漢方薬、ちゃんと理由があったのでした。特に機能性ディスペプシアと呼ばれる内視鏡検査にて異常がないのに、胃もたれ、胃痛などある人にはもっと積極的に使おうと思ったのでした。
4.口腔、食道の癌。嚥下反射(胃カメラを入れるとおえっとなる方がいらっしゃいますが、それです)を避けるため、ともすれば通過のための気管になりがちですが、きちんと観察して咽頭癌、食道癌を早期発見することが大事です。特に、喫煙者、アルコール多飲者、一度それらの癌に罹患した人など、リスクの高い人には丁寧な観察が必要です。
5.潰瘍性大腸炎で、5ーASA製剤という薬で寛解に持っていけない人や、不耐性と言って、発熱、腹痛などの副作用が出てしまう人へ対応するカログラという新薬の説明。ステロイドを使わなくていい、免疫を落とす作用がなく抑えられるというメリットがある反面、使用期限付き、薬価が高いなどのデメリットがあり、使用に迷うところです。なお、当院では潰瘍性大腸炎は経口薬で寛解導入、維持できる方まで対応していますので、血便、頻便に悩む方は当院にご相談ください。
学会参加後は、内視鏡検査の観察技量がUPしますので、カメラの検査を考えている方はぜひご予約に来てください。
学会は知識を得るだけではなく、様々な機器の展示、デモがあり、それも楽しみの一つです。
超音波内視鏡検査です。特に膵臓癌の早期発見、粘膜下腫瘍の状態評価に有用です。クリニックでも、導入している先生がいらっしゃるとのこと。1千万円!と今はとても手がでませんが、いつか。
他に欲しい機器がいくつかあり、いつか導入を、と夢は膨らむのでした。